お香典マナー徹底解説!香典袋の種類・書き方・相場金額・渡し方とタイミング・挨拶

一口に香典袋といっても、お葬式によって使用できる種類と書き方があります。

いくら包めばいいのか、香典袋(不祝儀袋)の書き方、お香典を渡すときのタイミングやマナーなども気になりますね。

お香典を準備して通夜・告別式に参列しますが、方法を間違えれば、もしかしたら不快な思いをさせていた、なんてことにも…

このページを最後まで読めば、次のことがわかります。

  • 香典の受け取りを辞退されたら
  • 香典袋の種類・書き方・綴じ方
  • 関係性で違うお香典の相場はいくら?
  • 香典返しを辞退する方法
  • お香典を渡すタイミング
  • お香典を渡すときのマナー

お葬式で恥をかかない、お香典のマナーを徹底解説します。

お葬式に参列できない、お香典を辞退された場合

お香典の受け取りを辞退されることは珍しくはなく、全国で約30%の喪主が辞退したという「2022年データ」もあります。

最近は、家族葬の割合も増えてきているので、香典を受けとらないという人も増えています。

その場合、故人や喪主の意向なので、尊重してお香典はやめておきましょう。

どうしても気持ちを届けたい場合は、お葬式に参列できないときと同様、弔電ちょうでん(お悔やみ電報)を贈ることを検討しましょう。

弔電は、通夜までに贈るのが一般的ですが、間に合わない場合は葬儀・告別式が始まる数時間前までに式場に届くよう手配します。

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香典袋の種類・書き方・綴じ方

宗教によって使う香典袋の種類が違うので、訃報の知らせを聞いたときに、お葬式の形式も確認しましょう。

香典袋の表書きの絵

香典袋に描かれている絵は、宗教の違いによるお葬式の種類別に決まりがあります。

表書きの絵
仏式 無地、はすの花
神式 無地、十字架、百合の花
キリスト教式 無地

はすの花は仏式用、それ以外の絵はキリスト教式と覚えておいたら間違いありません。

どのお葬式でも共通して使える「無地の香典袋」が無難なところです。

香典袋の水引

水引の色は、黒白か双銀を使用します。

神式の場合は双白を使用することもあります。

また水引の結び目は、繰り返したくないという意味から、結び切りのものを使用します。

蝶結びの水引きは何度も結び直せるので、何度でも嬉しい、出産などの慶事にのみ使用するのがマナーです。

香典袋の表書き

仏式の表書きは御香典が一般的ですが、御香典の「典」は正式には旧字体の「奠」です。

同じく、御仏前の「仏」も正式には旧字体の「佛」になります。

国内においては圧倒的に仏式のお葬式が多いのが現状ですが、神式は2.3%、キリスト教式は1.8%の割合で選ばれています。

宗教別に香典袋の書き方が違うので、仏式・神式・キリスト教式、それぞれに合った書き方を見てみましょう。

表書き
仏式 御香典、御香料、お供え、御霊前
仏式(浄土真宗) 御香典、御香料、お供え
神式 御霊前、御神前、御榊料、御玉串料
キリスト教式 御霊前、御花料

仏教の場合は「御香典」とするのが無難です。

浄土真宗は「御霊前」を使わず、また「御仏前」は四九日が過ぎてからなので、お葬式では使わないようにしましょう。

キリスト教式は、プロテスタントとカトリックの宗派が多いですが、プロテスタント「御香典」とするのは好ましくありません。

お葬式の会場が教会なら、キリスト教式でお葬式がおこなわれると判断できます。

もしお葬式の形式(宗教)が分からなければ、浄土真宗以外で使えるので、御霊前としておきましょう。

涙で滲んたという意味から薄墨うすずみの毛筆で書ければベターですが、なければ筆ペンでも問題ありません。

氏名の記入方法

水引の下の部分にはフルネームを記入します。

もし職場の人たちなどの代理で香典を預かっているなら、香典袋にはその人の氏名を記入します。

水引の下の表書きには最大3名までの連名が一般的で、香典袋の中心に年配の人を書き、その左へ順に氏名を並べます。

それより人数が多いなら、水引の下に「代表者のフルネーム」、その左に「他一同」とします。

その他の人は、住所氏名と金額を別紙に記入し、香典袋に入れます。

内袋への記入方法

香典袋は、内袋が付属されているものを100均などで購入しましょう。

内袋には、お香典が誰からのものか遺族が把握できるように「あなたの情報」を記入します。

もし記載されていなければ、遺族に余計な手間と時間を掛けさせることもあります。

あなたへの喪中はがきや香典返しを送るにも、住所・郵便番号・電話番号などの情報が必要です。

内袋に書いておく項目

  • 郵便番号、住所
  • 電話番号などの連絡先
  • 氏名
  • いくら包んだか【金〇千円】

金額を記入するのは、すこし恩着せがましく感じてしまうかもしれませんね。

しかし遺族の立場からすると、数え切れないお香典を誰からいくら頂いたか把握しなければいけません。

かならず正確に記入しましょう。

金額の記入は旧字体で

金額を記入する際には、できれば「旧字体」を使ってみましょう。

金三千円は「金参阡圓」、金一万円は「金壱萬圓」と書きます。

喪主の方が年配であれば旧字体をおすすめします。

ですが、もし20代や30代であれば、常用漢字で「金一万円」のほうが読みやすくて親切かと思われます。

 

関係性で違うお香典の相場はいくら包めばいい?

香典の金額の相場

香典の金額の相場は、故人との関係や地域の習慣で違いますが、故人との関係が近いほど金額が増えるのが一般的です。

故人の親族ならば、それなりの金額を包みます。

知人は5,000円、親族は30,000円を基準に、目上の人には少なめに、目下の人には多めに包むことも意識しておきます。

金額(円) 全国平均
ご近所 3,000~5,000 4,810
友人の親 5,000 5,972
職場関係者 5,000~10,000 5,447
取引先関係者 5,000~10,000 6,897
両親 50,000~100,000 62,318
兄弟姉妹
その配偶者
30,000~50,000 39,518
祖父母 10,000~30,000 17,280
叔(伯)父
叔(伯)母
10,000~30,000 17,063
娘の嫁ぎ先
義娘の実家
(先方の両親)
30,000~50,000
(先方の祖父母)
10,000~30,000

全国最多・平均データ出典:全互協

会社関係者の場合は、職場の同僚と同程度の金額とします。

喪主が「同居の家族」なら香典を渡す必要はありませんが、それ以外の場合には香典を包むのが一般的です。

紹介した金額は目安なので、あなたの経済状況や年代にあわせ、無理のない範囲で相場から金額を増減させましょう。

紙幣は新札を避け、4,000円や9,000円など「4」と「9」の数字にならないようにするのがマナーです。

金額に応じた香典袋の種類と綴じ方

香典袋のタイプは、香典の金額によって決めます。

数千円~1万円未満であれば、水引きがプリントされたタイプで充分です。

数千円なのに、豪華な香典袋に入れて渡すのはマナー違反です。

水引きがあるタイプにするならば、外包みの綴じ目は下向きに、伏し目がちに悲しんでいることを表します。

祝儀袋のときとは逆になります。

香典返しを辞退する方法

遺族の負担を減らす相互扶助の目的があるお香典ですが、その目的のため、「香典返し」を辞退することは珍しくありません。

遺族にとってもありがたい申し出であるため、失礼には当たりません。

ただし口頭で言われることは遺族にとっては管理が難しくなるので、やはり文章として書いておきたいところです。

  • 勝手ながら香典返しは辞退させていただきます。
  • 香典のお返しは無用ですので、どうかお気遣いなくお願いします。

外袋は破棄されることが多いので、内袋の住所・氏名・金額の記入欄の近くに書きます。

さらに、「少額ですがすこしでもお役立てください」「お悔やみ申し上げます」といった言葉も添えましょう。

お香典を渡すタイミング

お香典の歴史は古く、食料を送ってお坊さんや参列者の食事にしていたことが始まりです。

突然の不幸による遺族の負担、これを軽減させる相互扶助そうごふじょの目的で、霊前に供える香や線香の代わりに現金を包むのが一般的です。

お通夜か告別式のどちらに参加するかで、お香典を渡すタイミングは違います。

お通夜と告別式への参加割合

全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)が実施したアンケート調査の結果があります。

それによると、⓵お通夜に参列、⓶お通夜と告別式に参列、⓷告別式に参列の順で多いのが分かります。

参列者(人)
お通夜 3,342
両方 2,853
告別式 1,230

マナーの観点からいえば、普段づきあいの親しい間柄なら、通夜も告別式も参列します。

そこまで親しい間柄でなければ、告別式だけに参列しますが、事情があって難しければ通夜に参列して構いません。

通夜は18時~22時ころに行われますが、お坊さんが読経している間に焼香しょうこうが済めば、すぐに引き上げます。

受付のタイミングで手渡す

お香典は、通夜か告別式に受付の人に手渡します。

通夜と告別式のどちらにも参列する場合、通夜の受付で渡すのが一般的ですが、マナーで言えば告別式で渡すことをおすすめします。

お香典の持参数(人)
お通夜 5,418
告別式 2,007

2回に分けて渡すのは、不幸が重なるという意味からマナー違反になるのでやめましょう。

お香典を渡すときのマナーや挨拶

香典を袱紗(ふくさ)に包む

香典は袱紗ふくさに包みますが、これは香典袋が汚れたり折れ目が付かないようにするためです。

用意できない場合はハンカチでも代用できますが、高価なものではないので、いざという時のためにも用意しておきましょう。

袱紗(ふくさ)の包み方

袱紗ふくさの包み方はとても簡単です。

⓵お香典を袱紗ふくさの中心よりやや右に置きます。
ふくさの包み方1
袱紗ふくさの右をたたみます。
ふくさの包み方2
袱紗ふくさの下をたたみ、続けて上もたたみます。
ふくさの包み方3
袱紗ふくさの左をたためば完成です。
ふくさの包み方4

不安があれば、1分程度の動画で詳しくお香典の包み方を確認してください。

出典:小さなお葬式

香典を手渡すときの挨拶

いざ受付でお香典を渡すとき、無言では失礼になります。

袱紗ふくさからお香典を取り出し、受付の人に渡すときには簡単にお悔やみの言葉を添えます。

お香典の渡しかた

  • 渡すときに、袱紗ふくさの上にお香典が乗るように開く。
  • お香典を両手で持つ。
  • 相手に表書きの文字が向くように差し出す。

渡すときの挨拶は、「この度は、まことにご愁傷様です」や「心よりお悔やみ申し上げます」で大丈夫です。

お悔やみの気持ちを表すために、小声で語尾は分かりにくいほうがマナーとして合っています。

香典を渡したら、名簿に住所氏名を記入します。

故人の親族が受付でお香典を渡す場合、先ほどの挨拶では違和感が残ります。

受付をしてくれる人は一般的に、町内会の人や、遺族の会社関係者になるので、親族の場合は受付の人に親族であることを伝えます。

渡すときの挨拶は、「お世話になります。親族のものですが、受付をお願いします」などと言いましょう。

受付が無い場合に香典をどうするか

受付がなければ、遺族に直接渡すか、ご霊前に供えるようになります。

遺族に直接手渡すなら、先ほどの受付での渡し方と同じです。

手渡すときのお香典の向きと、お悔やみの言葉を忘れないように注意してください。

ご霊前に供えるなら、焼香したあとに祭壇のお供えに置きますが、向きは受付のときと反対になります。

お香典は亡くなった方に手向たむけるものではなく、遺族への相互扶助が目的なので、その向きは自分側になります。

通夜ぶるまいの席に呼ばれたら

通夜ぶるまいとは、通夜のあとに、お坊さんや親族と身近な人をねぎらうための席です。

本来は親しい人のために、葬家の好意でお酒や軽食が出されます。

もし葬家に通夜ぶるまいの席に勧められたら、もてなしを受け、早々に切り上げるのがマナーです。

間違っても、その席で酔いすぎたり、大声や笑い声などは出さず、故人の思い出を語るくらいにしましょう。

 

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