相続手続きに必要な書類

遺言書の作成や遺産相続、不動産登記や家庭裁判所の手続きなど、ほんとにいろんなケースで証明書が必要になります。

一口に証明書といっても、種類によって、どんなことが書かれているかも違います。

  • 戸籍謄本
  • 除籍謄本
  • 改製原戸籍謄本
  • 住民票の写し
  • 戸籍の附票の写し
  • 印鑑証明書

遺産相続が目的なら、法定相続情報一覧図の写しという証明書もあります。

相続するなら証明書の部数も多くなり、手間とコストを考えたら、お得で便利な証明書です。
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自分で作成できる法定相続情報一覧図の書き方と見本

このページを最後まで読めば、次のことがわかります。

  • 戸籍謄本などに書かれている事と費用
  • 証明書を役所に請求する方法
  • 委任状の書き方
  • 証明書発行に必要な本人確認書類
  • 郵送で請求する方法

手続きに必要な書類を、すべて自分でそろえる方法を説明します。

 

戸籍謄本など証明書に書かれている事と発行費用

戸籍謄本など証明書に書かれている事から見てみましょう。

戸籍関係の証明書は、誰でも請求できるものではなく、本人、配偶者、直系尊属(父母・祖父母)、直系卑属(子・孫)が請求できます。

戸籍謄本と戸籍抄本

戸籍情報を調べるなら、基本的には戸籍謄本を請求することになります。

出典:広島市戸籍謄本

戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)と戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)に書かれている項目です。

戸籍謄本と戸籍抄本

  • 本籍
  • 戸籍の筆頭者
  • 戸籍に入っている人の氏名・生年月日
  • 父母の氏名と続柄
  • 出生事項と婚姻事項

戸籍謄本には家族全員分の戸籍情報について記載されていますが、戸籍抄本には必要な人の戸籍情報のみ書かれています。

終活や相続で使うなら、戸籍抄本ではなく戸籍謄本を請求しましょう。

ちなみにどちらも、発行手数料は1通450円です。

除籍謄本と除籍抄本

除籍謄本とは、元々は戸籍謄本ですが、その戸籍に誰もいなくなった場合などに除籍謄本として登録されます。

  • 戸籍に記載されている人が婚姻や死亡で除かれ、戸籍から全員が除かれた場合
  • 転籍で別の市区町村に新戸籍が編製され、それまでの戸籍を除去した場合

除籍謄本(除籍全部事項証明書)と除籍抄本(除籍個人事項証明書)に書かれている項目は、戸籍謄本・戸籍抄本と同じです。

終活や相続で使うなら、除籍抄本ではなく除籍謄本を請求しましょう。

改製原戸籍謄本

過去に戸籍法が改正されていますが、そのたびに戸籍謄本が新しく作られることになります。

戸籍法改正される前の戸籍は改製原戸籍謄本かいせいげんこせきとうほんとして、そのときの本籍地の役所で記録・保管されます。

出典:広島市改製原戸籍謄本

改製原戸籍謄本に書かれている項目も、、戸籍謄本に記載されている事と同じです。

昭和32年(1957年)の昭和改製原戸籍と、平成6年(1994年)の平成改製原戸籍があります。

昭和改製原戸籍は、戸籍の編製単位をそれまでの「家」単位から、「1つの夫婦及びこれと氏を同じくする子」か「配偶者のない者とこれと氏を同じくする子」になりました。
 
平成改製原戸籍は、戸籍簿の保管方法を紙の原本から磁気ディスクなど電子化へと変更する改製でした。

改製前に婚姻や死亡などで戸籍から外れていれば、その内容は新しい戸籍に記載されないので注意。

戸籍の附票の写し

戸籍の附票の写しには、戸籍が作成されてからの住所の履歴が全て記載されています。

出典:名古屋市 戸籍の附票の写し

過去に複数回の引越して、その住所の履歴が必要なときに、本籍地を登録している役所に請求します。

戸籍が新しくなったり本籍地を変更した場合は、戸籍の附票の除票として、5年間はそのときの本籍地の役所で保存されます。

5年が経過したあとは、役所での保存義務はなくなります。

しかし、役所によっては期間が過ぎても自主的に保存している場合もあるので、まずは窓口に確認してみてください。

住民票の写し

戸籍謄本には住所の記載がないので、住所や前住所を確認するためには、住民票の写しを請求します。

住民票の写し

出典:名古屋市 住民票の写し

住民票の写しに書かれている項目です。

住民票の写し

  • 住所や氏名
  • 生年月日や性別
  • 世帯主の氏名と世帯主との続柄
  • 本籍や住民となった年月日
  • 住民票コードや個人番号

住民票には、住民票コードや個人番号を記載することもできますが、要望がなければ基本は省略されています。

引っ越しや死亡、改製などで、住民票に記載されていた人が全員いなくなったら、住民票の除票の写しになります。

除かれた日の翌年度から5年間は、その住所地の役所で保存されます。

保存期間は5年ですが、自主的に過去20年分を保管している役所もあります。

印鑑登録証明書

相続手続きでは、相続人が実印を押した書面が必要になります。

そのとき、ハンコが実印であることを証明する印鑑登録証明書も一緒に提出しなければいけません。

出典:米子市 印鑑登録証明書

印鑑登録証明書は、事前に役所で印鑑登録していなければ発行できません。

つまり、印鑑登録が完了していないと、どんなに立派なハンコでも実印ではありません。

印鑑登録証明書は印鑑登録した役所で、印鑑登録証(印鑑カード)を窓口に提示して請求します。

出典:板橋区印鑑登録証

もし、印鑑登録証(印鑑カード)を無くしたなら、登録を廃止して再登録しなければいけません。

証明書の発行費用

証明書は役所で取得できますが、それぞれ発行には手数料が掛かります。

  • 戸籍全部事項証明書 1通 450円
  • 除籍全部事項証明書 1通 750円
  • 改製原戸籍謄本   1通 750円
  • 戸籍の附票の写し  1通 300円
  • 住民票の写し    1通 300円
  • 印鑑登録証明書   1通 300円

住民票の写しは本人及び同一世帯にいる人が請求できます。

どの証明書も委任状があれば、別世帯の親族などの代理人でも請求できます。

戸籍謄本などの証明書を役所に請求する方法

引っ越したら、住民登録を変更しなくては何かと不便ですね。

ですが本籍地は、結婚や離婚などで戸籍を新しく作ったりでもない限り、わざわざ転籍の手続きをする人は少ないです。

そのため、住民票と戸籍謄本を管轄する役所が違うことも珍しくありません。

本籍地を忘れた時の請求方法

戸籍謄本は、本籍地に登録した住所を管轄する役所に請求します。

戸籍謄本を発行する役所と、住民票の写しを発行する役所が違うと、いざという時に困ります。

もし現在の本籍地が分からないなら、住民登録している役所で住民票の写しを発行しましょう。

住民票の写しには、現在の本籍地が記載されています。

過去の戸籍が欲しい場合

相続手続きなどで、過去の戸籍が知りたいなら、戸籍謄本の【従前戸籍】の欄を確認すれば分かります。

従前戸籍に書かれた本籍地の役所には、その人の過去の戸籍が保管されています。

そのときの本籍地と筆頭者の氏名を基に、管轄する役所に戸籍謄本(除籍謄本)を請求します。

それを順番に過去へさかのぼることで、その人のすべての戸籍情報がわかります。

親子関係を証明するには

終活や相続手続きのため、親子関係を証明するには、親や子の戸籍謄本か除籍謄本を用意します。

その戸籍にあなたが記載されていれば、親子関係は証明されます。

婚姻や養子縁組で親と別戸籍になっている場合は、その当時の戸籍謄本が必要です。

養子縁組していても、実の父母からの相続権は失いません。

もし実の父母のことがわからなければ、あなたの現在の戸籍を入手し、父・母の氏名や出生地などを確認してください。

予想外の相続人が見つかったら

終活や相続手続きで、戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本などを集め、相続人全員の情報を特定します。

もし想定外の相続人が見つかったら、その人を無視することはできません。

必要があれば、その人に連絡を取ることも考えなければいけません。

役戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本・住民票の写しの発行方法

戸籍謄本などの証明書を発行するには、それぞれの市区町村の役所に備えつけられている用紙に必要事項を記入し提出します。

そして、1通ごとに所定の手数料を支払います。

本人確認されるので、運転免許証などの身分証を持参しましょう。

委任状があれば代理人が請求することも可能ですが、同一戸籍の人はもちろん、父母や祖父母、子や孫などは委任状は不要です。

しかし、マイナンバーや住民票コードを記載した住民票の写しの請求は、本人か同一世帯の人でなければできず、代理人では発行してもらえません。

郵送での請求方法や、委任状の書き方はあとで詳しく説明します。

印鑑登録証明書の発行方法

印鑑登録証明書の発行は、実印を持っていく必要はありませんが、印鑑登録証(印鑑カード)を提示しなくてはいけません。

本人以外でも役所の窓口で印鑑登録証(印鑑カード)を提示することで、印鑑登録証明書を発行してもらえます。

印鑑登録証を無くしたら、印鑑登録を一旦廃止し、登録し直さなくてはいけません。

登録する印鑑を持参しましょう。

印鑑登録証明書は、郵送で交付申請できる役所とできない役所があるので、ホームページや窓口で確認してください。

戸籍謄本などを請求する委任状の書き方

戸籍謄本などの証明書が必要なとき、委任状があれば、代理人が役所であなたの代わりに請求できます。

代理人が同一戸籍の人、父母や祖父母、子や孫などの場合は委任状は不要です。

委任状は、委任者本人が自筆作成し、請求権限のない人が作成した委任状では無効です。

次の記入例を参考にして、作成してください。

用紙に指定はないので、便箋などでも大丈夫です。

委任内容には、「〇〇の戸籍謄本 □通」や「〇〇の戸籍の付表 □通」と記入します。

どの証明書が必要か分からないなら、「〇〇の出生から死亡までの連続した戸籍が必要」などと書きましょう。

使用目的は、「〇〇死亡による相続手続きのため△△へ提出」や、「遺言書の作成のために使用」とします。

証明書発行に必要な本人確認書類

証明書の発行を請求するとき、運転免許証などの本人を確認できる書類を提示しなくてはいけません。

改正戸籍法・住民基本台帳法で、本人確認が法律上のルールになっています。

本人を確認できる書類は、次のものを1枚用意すれば大丈夫です。

運転免許証 運転経歴証明書
マイナンバーカード パスポート
戦傷病者手帳 運航管理者技能検定合格証明書
宅地建物取引主任者証 動力車操縦者運転免許証
電気工事士免状 教習資格認定証
無線従事者免許証 身体障害者手帳
住民基本台帳カード 認定電気工事従事者認定証
療育手帳 船員手帳
特種電気工事資格者認定証 精神障害者保健福祉手帳
海技免状 耐空検査員の証
一時庇護許可書 小型船舶操縦免許証
航空従事者技能証明書 猟銃・空気銃所持許可証

顔写真がない次の証明書でも、2枚の組み合わせで提示することで本人確認書類にできます。

被保険者証 共済組合員証
年金証書 国民年金手帳
児童扶養手当証書 特別児童扶養手当証書
生活保護受給者証 共済年金、恩給の証書
被爆者健康手帳 ひとり親家庭等医療費受給者証

 

証明書を郵送で請求する方法

戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本、戸籍の附票の写しは、本籍地を管轄する役所が違うことがあります。

請求先が遠方なら、実際に現地に行くより、郵送で手続きすることがおすすめです。

請求に必要な証明書

それぞれの役所のホームページにある専用の郵送請求用申請書、または便せんなどに必要事項を記入して郵送し証明書を請求します。

申請書のほかに交付手数料、返信用封筒、本人確認書類の写しを同封します。

  • 郵送請求用申請書
    役所のHPでダウンロードする
  • 交付手数料
    必要な通数分の定額小為替ていがくこがわせを郵便局で購入し同封する
  • 返信用封筒
    返信用封筒に住所と氏名を記入し、返信に必要な切手を貼る
  • 本人確認書類
    運転免許証やマイナンバーカードのコピー

請求通数が多くて返信用の送料が分からないときは、切手を余分に入れておきます。

急ぐ場合は、往復とも速達を利用しましょう。

具体的にどの証明書が必要か分からないなら、「〇〇の出生から死亡までの連続した戸籍が必要」などと書いておきます。

その場合、ゆうちょ銀行か郵便局の貯金窓口で定額小為替ていがくこがわせを余分に購入し同封します。

余ったら返信封筒に入れて返してくれます。

定額小為替を購入する

定額小為替は50円~500円まで50円刻み、あと750円、1,000円の12種類があり、おつりの無いように購入しなくてはいけません。

1枚につき、100円の手数料がかかります。

  • 戸籍全部事項証明書 1通 450円
  • 除籍全部事項証明書 1通 750円
  • 改製原戸籍謄本   1通 750円
  • 戸籍の附票の写し  1通 300円
  • 住民票の写し    1通 300円
  • 印鑑登録証明書   1通 300円

定額小為替は、無記名のまま送ります。

切手や収入証紙、収入印紙では受付されないので注意してください。

もし時間がない、手続きが分からない。

こんなときは、弁護士・司法書士・税理士・行政書士なら、戸籍謄本など必要な書類をそろえてくれます。

面倒な戸籍の調査は、すべて相続の専門家たちに依頼するのも一つの方法です。

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