終活がブームになり、自分のお葬式について考える人も増えています。
そこで気になるのが、いざという時の葬儀費用ですが、やはり家族には迷惑を掛けたくないですね。
お葬式の費用は、種類によっても全然違いますが、一般葬なら全国平均190万円ほどかかります。
そこで選ばれるのが、少額から積み立てができる互助会システムです。
このページを最後まで読めば、次のことがわかります。
- 互助会ってどういうシステム
- 互助会のメリット・デメリット
- 解約手数料と返金トラブル
互助会の解約手数料と返金トラブル、加入するメリットについて説明します。
互助会ってどういうシステム
互助会は、結婚式やお葬式の費用を積み立てることで、急な出費に備えられる会員制のシステムです。
月々数千円を口座引き落としで積み立てることで、計画的に資金を用意でき、将来設計も立てやすくなるので人気です。
でも、ただ積み立てするなら、自分で貯蓄したほうがいいのでは?
こんな疑問もわいてきますが、積み立てた金額以上のサービスを受けられるので、これにメリットを感じる人におすすめなサービスです。
互助会ってどうして誕生したの?
互助会の仕組みは、戦後の貧しい時代に、助け合いの精神(相互扶助)のために誕生したシステムです。
全互協(全日本冠婚葬祭互助協会)の資料から抜粋。
貧しい時代に、結婚式場や葬儀会館を持続して運営するために考えられたのが互助会の始まりです。
現在では、核家族化や少子高齢化で、地域や家族のつながりが薄れていく中で、お金で家族に迷惑をかけないために会員になる人も多いようです。
互助会の前受金と会員数
互助会の会員数と積み立てしている金額(前受金)を、互助会保証株式会社のデータから紹介します。
2019年3月における互助会の数は、全国で245社もあります。
契約数は2,288万件で、積立金(前受金)は2兆4,660億円という、とてつもない金額にも膨れ上がっています。
契約1件あたりの平均額は108万円で、これだけ積み立てしておけば、突然のことでも安心ですね。
互助会のメリット・デメリット
それでは、互助会の会員になるメリットとデメリットについて説明します。
メリット①リーズナブルな結婚式やお葬式
互助会では、積立金に応じたコースが用意されていて、コースによって提供されるサービス内容が違います。
次の表は、互助会の大手ベルコのプラン表(結婚式・女性用)で、24万円と48万円コースの2種類あります。
それぞれ、積立した金額にあわせたサービス内容になっているのが分かります。
実際に利用する会場や衣装によっては、当たりはずれもあるかと思いますが、表示価格と比べるとリーズナブルになっていますね。
続いては、同じくベルコのお葬式(48万円コース)のプラン表です。
ここで注意が必要なのが、プラン表に含まれていないサービスは別料金だということ。
冷静に考えればわかることですが、48万円の積立金だけでは結婚式もお葬式もできません。
結婚式やお葬式の費用の一部を前払いしておくことで、割安なサービスを受けれるのが、互助会のシステムだと理解しておきましょう。
メリット②同居の家族が利用できる
契約している本人以外の結婚式やお葬式でも、同居の家族なら、互助会のサービスを利用することができます。
ただし、家族の情報をあらかじめ登録しておく必要があります。
メリット③積立金の50%は法律で守られる
互助会で積み立てしている金額の50%は、法務局の供託所、銀行や保証会社に預けているので、しっかり守られています。
つまり、互助会の運営会社が倒産してしまっても、積立金の半分は確実に返金されるということです。
ですが裏を返せば、万が一にも、将来のために積み立てた資金の半分を失ってしまうリスクは含んでいます。
もし互助会に加入するなら、なるべく全国区で倒産しにくい、大手の互助会を選んだほうが無難かもしれませんね。
デメリット①選べるコースの種類が少ない
互助会の会員になれば、目標の金額を設定し、それに向けて積み立てるため、はじめに金額のコースを選びます。
10万円コースや50万円コース、100万円コースなど、設定されている金額が互助会によって違います。
また、加入する互助会にもよりますが、選べるコースの選択肢が少なめなのがデメリットです。
そのため、いざ実際に利用するときに、「これは不要なだな」と感じるサービスも多いようです。
不要なサービスを受けない選択肢もありますが、先ほどのプラン表のように、コース内容がすでに決まっています。
そのため、受けるサービスを省略しても、料金の値引きはできません。
デメリット②積立金に利息が付かない
互助会は、銀行や投資などとは違い、積立金に対して利息や配当が付くことはありません。
なぜなら互助会システムが、結婚式や葬儀の安定的な運営が目的だからです。
会員から集めた資金は、新しい設備や葬儀社の運営に使われ、見返りとしてサービスを割安に受けられる仕組みになっています。
だから、一定期間にわたって毎月積み立てたお金が、プラスになって返ってくることはありません。
また、銀行みたいに積立金を自由に引き出すこともできないので注意。
デメリット③積立金だけで全額まかなえない
国民生活センターに寄せられたクレームを一部紹介します。
- 父が死亡したので、契約していた互助会の葬儀サービスを利用した。
しかし、互助会の積立金だけでは葬儀ができず、高額な支払いとなり不満だ。 - 母の葬式代を互助会の積立金で全額まかなえると思っていたが、追加の費用が発生した。
納得できず支払いたくない。
互助会で積み立てしたお金だけで、葬儀費用を全額負担できると思っている人が意外と多いようですね。
しかし実際には、契約しているコースのサービスを利用できるだけで、それ以上のサービスを受けるには追加料金が掛かります。
よく分からず契約したら、あとでトラブルになってしまいます。
契約するときには、しっかりと規約や契約書、パンフレットの内容に目を通しておくことが大切です。
互助会の解約手数料と返金トラブル
将来的に状況が変わって、もし互助会のサービスを利用せずに解約するなら、手続きすることで積立金は返金されます。
ですが返金される金額は、積み立てた総額から解約手数料が引かれてしまいます。
解約時に、それまで何回分の金額を積み立てしていたかによって、引かれる手数料が違います。
互助会によっても違いますが、満期額の3~10%ほどの手数料になることが多く、高ければ20%なんて互助会も…
解約の返金トラブルに合わないために
毎月少額のお金を積み立てることで、結婚式やお葬式の資金を用意できることが互助会のメリットです。
ですが貯金のように、自分のお金が貯まっていく感覚でいたら、解約時に痛い目にあいます。
自分のお金なのに、なぜ高い手数料を払わなくてはいけないのかと…
100万円の積み立てを解約すれば、5万円や10万円の手数料が取られるので、納得いかない気持ちも分かります。
互助会のサービスを受けずに解約することがあるかもしれない。
そんなことを考えながら、入会する人は少ないかと思いますが、互助会のデメリットを理解したうえで契約することが何より大切です。
解約のトラブルに関する相談
まずは契約する前に、解約手数料などの条件やサービス内容について、よく調べてみましょう。
それでも、契約のトラブルで困ることがあれば、自治体の消費生活センターに相談する方法もあります。
消費者ホットラインは、全国どこでも188に電話するとつながります。
また別の窓口で、一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会の消費者相談センターにも相談できます。
0120-034820(消費者相談センター)
受付は、平日10:00から12:00、13:00から16:00です。
まとめ/互助会はどんな人が加入すればメリットがあるか
互助会は、次の特徴に当てはまる人におすすめのサービスです。
- 家族に資金面で迷惑をかけたくない人
- 将来設計がしっかりしている人
- 無理なく積み立てをしたい人
- 結婚式やお葬式を割安にしたい人
これらの特徴が、自分にピッタリだと感じれば、互助会に入ることを検討してみましょう。
ですが、将来的に引っ越す予定がある人や、お葬式は質素でいいと考えているなら、あまり向いていないかと思います。
なんにせよ、パンフレットや規約をしっかりチェックし、家族とよく相談してから契約しましょう。