生命保険と相続放棄

もしもの時の備えで思いつくことはありますか?

備えとしては、貯蓄やエンディングノートが考えられますが、忘れてはいけないのが生命保険ですね。

亡くなられた家族が、あなたのために生命保険に加入していたなら。

そして、あなたが相続放棄を考えているのであれば、生命保険の給付金がどうなるのか気になります。

このページでは、生命保険の受取人が相続放棄しても給付されるのかについてお答えします。

このページでわかること

  • 生命保険のメリット
  • 相続放棄とは
  • 生命保険の受取人が相続放棄しても受けとれる
  • 生命保険の受取人が相続放棄したら受けとれない

 

生命保険のメリット

メリット

銀行は預金者の死亡が分かると、すぐに故人の口座を凍結します。

そうなれば、その口座から生活費の引き出しができなくなります。

凍結された口座からお金をすべて引き出すには、戸籍謄本など書類の準備が必要です。

また原則、相続人全員の合意や署名と実印も求められます。

その点、生命保険は受取人の口座にすぐに保険金が振り込まれます。

受取人が保険会社に連絡すれば、通常1週間程度で指定口座に入金され、残された家族は当面のお金の問題が解決します。

相続放棄とは

Q&A

まずは、相続放棄について簡単に説明します。

相続放棄すると法定相続人でなくなる

故人から相続する財産には、プラスの財産のほかにマイナスの財産があります。

その内容によっては、借金を背負うことにもなりかねません。

マイナスの財産がプラスより多い場合や、相続に関わりたくない場合などに相続放棄の手段が取られます。

相続放棄することで、法律上そもそも初めから相続人ではなかったとして扱われます。

そのため法定相続人であっても、プラスマイナス含めた全財産を受け継がなくてもよくなります。

相続放棄するかどうか決めるには、まず全財産の内訳を把握することから始めなくてはいけません。

その結果、故人が多額の借金をしていたり、損害補償を請求されていたりと、どうしても貯金などから支払えそうになければ相続放棄を選択します。

実際に相続放棄したらどうなるのか

故人の負債がプラスの資産より多いなどの理由で、相続人が相続放棄した場合、故人の財産を受けとれなくなります。

つぎの図のように、配偶者、長男、長女と相続人が3人いたとして、この中で長男が相続放棄したケースを考えてみましょう。

本来であれば長男が相続するはずだった財産は、相続放棄によって配偶者と長女に分配されます。

長男は相続上、初めから存在しなかったものとして扱われます。

生命保険の受取人が相続放棄しても受けとれる

生命保険の受取人が相続放棄しても、きちんと給付されるか見ていきましょう。

相続放棄した人を受取人に指定

先ほどの家族構成で、「受取人指定を長男」とした生命保険があったとします。

長男は相続放棄することで、故人の財産を受けとる権利がなくなります。

なんとなく保険金を受けとる権利も失って、配偶者や長女に分配されそうですね。

しかし生命保険の保険金は、受取人に指定された人の固有財産となります。

保険金は、故人の財産として扱われないため、相続財産として分配の対象とはなりません。

そのため長男が相続放棄しても、受取人である長男が保険金を受けとれます。

相続放棄したら、故人に関するすべての財産を手放さなければいけないと思われがちですが、生命保険などのように相続財産とならないモノもあります。

生命保険の契約における重要ポイントは、誰を受取人に指定しているかです。

受取人に「相続人」を指定

受取人に「相続人」を指定されている生命保険もあります。

この場合でも、相続放棄しても保険金を受けとれます。

最高裁昭和40年2月2日判決では、つぎのような判決が出ています。

保険契約の効力が発生した被相続人死亡と同時に、相続人たるべき者である相続人らの固有財産となり、被保険者である被相続人の相続財産より離脱しているものと解すべきである。

つまり、故人が亡くなった時点で保険金の支払い効力は発生しているので、そのとき相続人であった人の固有財産となります。

故人の相続財産には当たらないので、相続放棄しても保険金を受け取れるということですね。

生命保険の受取人が相続放棄したら受けとれない

注意事項

相続放棄したら保険金を受け取れないケースについて説明します。

保険金の受取人が故人

もしも保険金の受取人が故人となっている場合には注意が必要です。

なぜなら保険金は故人の財産として扱われ、相続財産になってしまうからです。

もし相続人全員が相続放棄した場合、保険金は誰も受けとれなくなります。

万が一この保険金を受けとれば、逆に相続放棄ができなくなります。

このように生命保険の受取人指定ひとつで、いざという時に大きな違いとなって結果に表れます。

受取人指定なし

受取人の指定がなければ、保険金は契約者のものとして扱われ、相続放棄すれば保険金を受けとれなくなります。

しかし、保険約款で「受取人の指定がない場合、保険金を法定相続人に支払う」などの規定があれば、受取人を「相続人」に指定されていることと同じ効力があります。

保険会社によって、この約款が違うので、保険金を受けとれるかどうか重要なポイントです。

かならず契約書と約款を確認しましょう。

まとめ

まとめ

生命保険の受取人が相続放棄しても給付されるのかについて説明しました。

もしもの時のために備えているという安心感が、生命保険のメリットですね。

しかし受取人の設定ひとつで、相続放棄したときに給付金を受け取れなくなる可能性もあります。

もしこのページで問題が解決していないなら、弁護士や司法書士に相談するのも1つの方法です。

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